エマはピープル・ツリー代表のサフィア・ミニーとともにバングラデシュの生産者団体「タナパラ・スワローズ」を訪ね、ピープル・ツリーの服ができるまでを見学しました。
スワローズは、ひとつの村であると同時に200人以上の女性が働く場でもあります。ピープル・ツリーからの発注で得られる収益は、300人の子どもたちが通う小学校と、託児所の運営費用の一部にも充てられています。
サフィアによるエマのインタビューをお届けします。
サフィア・ミニー(以下 サフィア): フェアトレードやピープル・ツリーについてたくさんのことを勉強してから、ここバングラデシュに来て、実際にスワローズを見た感想は?
エマ・ワトソン(以下 エマ):本や話で聞いてはいたけれど、自分の目で見るのはまったく別のことでした。シンプルな技術を使って、工場でつくった 服に引けをとらない、こんなに美しいアイテムができるなんて。驚きました。
サフィア: 完全な手仕事でつくられた服を見た感想はどうでしたか?
エマ:こんなにも手間をかけて服をつくっていると知って、感動しました。手作りの本当の意味を人に伝えるのは大変です。糸を準備し、手作業で染め、織り機にかけ、手織りして、それから裁断、縫製、刺繍。これらすべての工程を経てできた服がどんなに特別なものか、みんなに想像してもらえたらな、と思います。
サフィア:どうしてわざわざ手間ひまかけて手作りなんてするんだ、という人たちもいます。
エマ:首都ダッカにある、大量生産の衣料品工場で働く人たちが生活するスラムを見ましたが、本当にひどい光景でした。先進国が、途 上国に利益だけを追求するビジネスを持ち込むのは間違っていると思います。バングラデシュのGDP(国内総生産)の多くを衣料品が占める中、服作りを持続可能なビジネスにして、つくり手が人間らしい暮らしを送れるようにするべきではないでしょうか。タナパラ村のスワローズで私に縫製を教えてくれた女の子はまだ18歳でした。私より2歳年下ということがすごく印象的でした! 彼女が学業と仕事を両立しながら自立しようとする姿に心を打たれました。
サフィア:スワローズでさまざまな生産部門を見ましたね。生後3ヶ月から5歳までの子どもが60人通う託児所も見学しました。そして5〜12歳の子どもたち300人が通う小学校もあります。この学校は、ここで働く女性たちの子どもだけでなく、地域の子どもたちに対しても開かれています。フェアトレードについて、みんなに伝えたいメッセージはありますか?
エマ:どうしたらみんなに、フェアトレードが誰かの人生に大きな変化をもたらすことに気づき、関心を持ってもらえるのか、とても悩みます。もし買い物をする時に選択肢があれば、フェアトレードを選ぶべき。その行為が大きな変化につながるのです。タナパラ村とダッカのスラムの生活との対比が、その証しだと思います。
エマ: 途上国の人たちが必要としているのは、自立するための機会。仕事が必要なのです。生産者の女性と話をしていて、将来への望みを聞きました。彼女が言ったのは、「もっと仕事がほしい。スワローズがもっと大きくなって、もっと多くの女性が働けるように」って、それだけです。みんな、バングラデシュ人であることや自分の仕事に誇りを持っています。そして、フェアトレードがさらに大きくなることを望んでいるのです。
サフィア: フェアトレードを拡大するには、何が必要だと思いますか?
エマ:フェアトレードの製品を見つけたら、買うこと。それだけで大きな変化が生まれます。フェアトレードとそうでないものの価格の差がそう違わない時もありますが、タナパラ村とダッカの暮らしは比べものにならないほど違います。もしあなたが問題意識を持ち、そして途上国の人の暮らしを変えたいと思うなら、機会がある時はいつも、フェアトレードの製品を選んで欲しいのです。それだけで、本当に大きな変化を生み出せます。トレンドを追いかけてばかりの人たちもいます。流行は2〜3ヶ月ですぐに変わるので、新しい服を買って古いものを捨てる。でも、みんな、自分の持っているものを大切にするべきだと思います。スワローズの服を買えば、それがとても特別な所でつくられたことがわかります。手作りで本当に素敵。(私のデザインもあります!)。長く着られてずっとずっと特別な存在。つくり手の愛とや さしさ、誇りがつまっているのですから。
ビデオ(字幕付き)でご覧ください。
エマ・ワトソンがバングラデシュの首都ダッカのスラムに暮らす、衣料品工場で働く人たちを訪ねたり、美しい農村で活動するピープル・ツリーのパートナー団体、タナパラ・スワローズを訪問する様子を、ビデオ(字幕付き)でご紹介しています。
また、エマがお気に入りアイテムを着てスタジオで撮影する様子も。ぜひ今シーズンの着こなしの参考にしてみてくださいね!
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