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フェアトレードの資金繰り〜個人の「想い」が支える「私募債」制度

フェアトレードが通常のビジネスと比べてチャレンジが大きい理由のひとつに、生産者パートナーに対して発注時に半額を前払いすることがあげられます。フェアトレードで支援する生産者団体は、農村の女性たちや小規模の職人グループ、障がいを持つ人の雇用プロジェクト等が多く、仕事を受注しても、原料を買う資金や製品が出来上がるまでの賃金をまかなうことができない団体が少なくありません。そこで、こういった団体には発注時に半額を前払いすることで必要な資金にあててもらうのです。


しかし、前払いをする側のフェアトレード団体にとっては、製品ができあがってお客様の元に届き、代金を支払っていただけるまでの間、この資金を立替えておかなければならないことを意味します。そのため、資金繰りは世界中のフェアトレード団体が共通して直面する課題であり、イギリスやオランダにはフェアトレード事業に融資する専門の金融機関もあるほどです。ピープル・ツリーでも、日本で融資を受けられる選択肢が少なかった頃はイギリスの融資機関を利用していました。


現在では日本でもエコロジー事業や市民事業に融資するNPOバンクが設立されており、ピープル・ツリーもこういったNPOバンクから借り入れをすることがあります。しかし、日本のNPOバンクはいずれも小規模のため、毎年生産者に対して2億円前後を支払う資金需要に対し、借入額は小規模にとどまっています。


そのためピープル・ツリーでは、一般金融機関からも融資を受けているほか、資金の必要度合いに応じて「少人数私募債」を発行しています。私募債とは、企業が少人数の個人に対して融資を募り発行する債券の一種。2002年8月から2010年7月までに計14回自社で私募債を発行し、述べ224名の方から累計2億円あまりを融資していただきました。それぞれ2〜3年の償還期間で、7回分1億円あまりが償還済みとなっています。2009年度末現在では、ピープル・ツリーが借り入れている資金の30%が私募債の発行によるものでした。


金融機関からの借り入れと異なり、私募債は融資者と会社とが直接パートナーシップを結ぶ、いわゆる「顔の見える融資」といえます。融資者は、スタッフやその家族、お取引先のほか、グローバル・ヴィレッジの会員として活動を支えてくださっている方々、ピープル・ツリー商品のファンとしてお買い物を通じてフェアトレードを応援してくださっている方々など。


ピープル・ツリーの私募債では、利息の一部または全部がピープル・ツリーの商品券で支払われています。これまでに発行した私募債の利息はいずれも2%でしたが、債権の金額の1%または2%相当の商品券を年1回発行し、直営店や通販でご利用いただいています。融資者のみなさまは利息よりも、フェアトレード事業の発展を資金面で支えたいという想いを共有してくださっています。


東京都調布市在住のM.Aさん● 融資者の声


東京都調布市在住のM.Aさんは、2004年からピープル・ツリー商品を愛用され、2005年にはグローバル・ヴィレッジのサステイニング・メンバーにも登録。2005年以来、ピープル・ツリーの私募債を継続して購入されています。


Q. なぜ、ピープル・ツリーの私募債を購入しようと思われたのですか?


A. もともとフェアトレードや、第3世界、貧困、難民などの問題の解決に何らかの形で関わりたいと思っていました。いくつかNGOなどにも参加していたのですが、ピープル・ツリーに出会い、商品のすばらしさ、生産者さんと顔の見える関係などでその魅力にどっぷりはまってしまいました。私募債を購入することで少しでもお役に立てるならと購入を決めました。


Q. 利息の商品券はどのように活用されていますか?


A. ピープル・ツリーの新作が出るたびに、自分用の衣料品やアクセサリーの購入に消えてしまいます(笑)。


Q. 私募債を保有していることは、ご自分にとってどんな意味がありますか?


A. ピープル・ツリーとグローバル・ヴィレッジの活動、目指しているところは私の思い、願いと同じなので、ささやかな私の私募債購入が活動の役に立つのならこんなに嬉しいことはありません。ピープル・ツリーの活動は、今の私にとって、とても現実的な、目に見え、情報も入る、具体的な夢の実現です。ピープル・ツリーの服やアクセサリーを身にまとったり、ショップで商品に囲まれたりスタッフの方々とおしゃべりするのは、楽しみ、喜び、癒しです。


ピープル・ツリーの私募債は一口30万〜50万円と、決して小さな金額ではありません。それでも「お買い物だけでない貢献がしたい」「フェアトレード事業をもっと伸ばしてほしい」と貴重な個人の財産を融資いただいている支援者の皆さまには、ほんとうに感謝してもしきれません。


自分が融資したお金が、生産者の仕事をつくることにつながり、それが商品となって消費者の手に渡る。融資者のみなさんは、フェアトレードの環に参加しているという実感を、なによりの「利息」と感じてくださっているのかもしれません。このみなさまのお志に支えられていることが、ピープル・ツリーのスタッフにとっても励みであり、ご期待に応えなければと、一同、気を引き締めています。


ピープル・ツリーではおおむね年1回、私募債を発行しています。
興味のある方はお問い合わせください。


私募債のお問い合わせは:

常務取締役 胤森(タネモリ)なお子
E-mail: お問い合せ