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「世界食料デー」とフェアトレード

世界食料デー

毎年10月16日は「世界食料デー」。国連が定めた世界の食料問題を考える日です。世界では全ての人が十分に食べられるだけの食料が生産されていますが、9億2500万人もの人が十分に食べられていない、という現状があります。食料価格の高騰、気候変動による干ばつ、食料輸入国による途上国の農地の買い占めなど世界の食料をめぐる問題は深刻さを増す中、日本では10月1日〜31日を「世界食料デー」月間とし、国際機関や国際協力NGOなどが協力して、日本の食生活から世界の「食」の問題を考え、飢餓や栄養不良に苦しむことのない世界を目指す活動を行います。

(参考:「世界食料デー」月間2011ウェブサイト

世界の飢餓、貧困という問題と、日本に暮らす私たちの生活は遠いようで、実はとても密接な関係にあります。ビジネスのグローバル化が進んだ現在、製品の流通はとても複雑になっています。私たちが手にする食品や衣服、日用品などあらゆる商品の生産場所は世界中に広がり、どこで誰が生産したのかがわかりにくいのが現状です。製造コストを低く抑えるために、人件費の安い途上国の現場では、労働者が生活を営めない低賃金や長時間労働、また児童労働や環境汚染など、人権を無視した問題がたくさん起こり、貧困の原因となっています。私たちが安さを最優先に追求する結果、満足な食事をとることができない人がいるのです。

ピープル・ツリーが取り組むフェアトレードは、その商品に関わる生産者が人間らしく暮らすための正当なお金が支払われ、その取引が継続されることを前提とする「人と地球にやさしい貿易」のしくみです。アジアやアフリカ、南米などの女性や小さな農家をはじめとする立場の弱い人びとに仕事の機会をつくりだし、その仕事に見合った公正な対価を支払うことで、彼らが自らの力で暮らしを良くしていけるよう支援します。

たとえば、バングラデシュの首都ダッカから車で数時間、昔ながらの暮らしが残る農村に、ピープル・ツリーと一緒に製品づくりをしているフェアトレード生産者団体、「タナパラ・スワローズ」があります。ここでは約250人の女性たちが、手織りや手刺繍の伝統技術を活かして服などを作っています。女性たちの賃金は、ダッカのスラムに住み、縫製工場で長時間苛酷な労働をする人の2倍ほど。このような農村ではダッカのような都市に比べて物価が3分の1程度ですみ、さらに自分で鶏や野菜を育てられるので家族は栄養のある食事をとり、毎月貯金をすることもできるそうです。また、近隣の村の子どもたちが12歳で学校を離れて働き始めることが多いのに対し、お母さんがスワローズで働く家の子どもたちは17歳まで学校に通うことができるようになっています。

タナパラ・スワローズの女性たち

フェアトレードに加えて、ピープル・ツリーでは化学農薬を使わずに自然と調和したオーガニック農法で育てられた原料を使う商品の生産支援や商品開発、販売に取り組んできました。コットンの生産国インドでは、農薬をたくさん使う農法で期待したコットンなどの収穫量を上げられず、農産物の市場価格の暴落で、農薬や種を購入した借金を返せずに自殺する農民が、コットン農家を中心に12年間で約20万人もいるという状況があります。また、生産にかかる費用をおさえるため、児童労働が行われているコットン農園もあります。

オーガニック農法のコットン畑には、虫や鳥たちが共存しています。

オーガニック農法のコットン畑

ピープル・ツリーのオーガニックコットン製品はインドで生産されていますが、パートナーの生産者支援組織「アグロセル」がオーガニック農法を指導した農家に育てられたコットンは、フェアトレードの基準やオーガニックの認証基準を満たしているため付加価値があり、農家には通常のコットンの価格に割増金を上乗せした価格が支払われます。そのため農家も子どもたちを地元の小学校に通わせることができたり、フェアトレードの割増金で運営される年金や保険、良質の医療も受けることができます。これまで農薬にかけていた費用もかけなくてすむため、借金がかさむ心配もなくなります。オーガニック農法に切り替えて微生物が増えた土壌では、多くの種類の作物を栽培できるようになります。生産者はローテーションを組んでコットンと食用の作物を交替で生産しています。どちらかが不作のときでも影響を最小限に食い止めて食べ物も確保できるので、コットンのみを栽培する農園と比べて生活も安定する、というメリットもあります。


オーガニックコットン以外にも、アフリカのパートナー団体「メル・ハーブ」が商品の原料となるハーブや果物をオーガニック農法で育てたり、フィリピンの「プレダ基金」のドライマンゴも無農薬・無化学肥料で育てられたマンゴを使っています。原料を育てる農家の安全や生活を守り、それを口にする私たちにも安心できる商品となっています。

途上国で起こっている貧困や飢餓の問題は、服や食べ物などを途上国から輸入している私たちにとって無関係ではありません。関係しているからこそ、買い物をするときの選択で世界を変えることができるはずです。日常生活でTシャツやチョコレートを買うとき、生産者の生活を支えている背景がわかるフェアトレードのものを選ぶことが、世界から貧困や飢餓をなくしていく一歩につながります。「世界食料デー」月間をきっかけにもう一度、世界と私たちのつながりや、フェアトレードの意義について考えてみませんか?