ピープルツリー フェアトレードコーヒー

コーヒー生産をめぐる世界の格差をなくすために

朝の目覚めや食後のひとときなど、豊かな香りと苦み、深い味わいで心安らぐ時間をつくるコーヒー。世界で大きな貿易規模を誇るコーヒーは、無数の中間業者が入る複雑な流通経路により、生産者の立場が弱い農産物とされています。ときに農家が手にする収入は、生産コストさえ賄えないほど低いことも。そんな現状を変えるひとつの方法として、フェアトレードがあります。立場の弱い小規模農家がつくる団体と直接取り引きすることで、農家の人びとの安定収入を支えています。

伝統的なオーガニック栽培をする
ペルーの生産者協同組合「コクラ」

有機JAS認証を得ているコーヒー生産者団体、コクラは1967年に設立された小規模農家の協同組合です。世界遺産として知られるペルー南部のマチュピチュ遺跡から車で5 時間、クスコ州キジャバンバを中心とした標高1,500〜1,800mの高地で栽培を行っています。現在の組合員は23グループ、約8,000 名と設立当時の10 倍の規模になっています。生産量は年間約10,000トンで、ペルー全体の約4%もの量です。栽培、加工、販売、輸出までを行い、伝統的な有機栽培を促進しています。また、ココアや紅茶、果物を同時に栽培するなど、安定した収入をつくるため、さまざまな工夫を凝らしています。

寄付ができるラオスのコーヒー
「ジャイ・コーヒー生産者組合」のこと

ジャイ・コーヒー生産者組合(JCFC)は、南部のボラベン高原で質のよいコーヒーづくりに力を入れています。品質を高めることでコーヒー産地としてのラオスの評価を上げ、付加価値のある価格での取り引きや、買い取り量を増やすことを目指しています。優れた香りと酸味を持つ希少な品種、アラビカ種ティピカを中心に栽培するのも、その活動の一環。ティピカは病気にかかりやすく、収穫量も少ないという難しい品種ですが、農家の人びとが手間を惜しまずに育て、収穫後もていねいに水洗いして果肉を除き、天日でムラなく乾燥させてパーチメントをつくっています。ピープルツリーでは、この活動を支えるため、ラオスコーヒーの売上金の一部を生産者団体へ寄付しています。

アフリカ最高峰のキリマンジャロ山麓で
バナナをシェードツリーに
小規模生産者組合が育てたコーヒー

5,895mの山頂には、赤道近くながら1年じゅう氷雪があるキリマンジャロ山麓で、小規模農家の人びとがバナナをシェードツリー(葉焼けを防ぐための木)として、ほかの作物との混植で育てました。肥沃な火山灰地にはぐくまれた、華やかな香りとフルーティーな優しい酸味、芳醇なコクがある良質な生豆。収穫から発酵、乾燥までを生産者自身の手によってていねいに加工して、出荷しています。

ペルーのキジャバンバの山々。

コーヒーを育てるコクラの農家さん。

カトゥアット村など、ボラベン高原の森の中で栽培されるラオスのコーヒー。

アラビカ種の原種に近いティピカの木。

水洗いして果肉を除き、乾燥させたら生豆が完成。

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