このイラストを描いてくれたのは

アリシア・ベイ＝ローレル
1949年アメリカ生まれ。今も版を重ねるベストセラー『地球の上に生きる（living on the earth)』の著者。シンガー・ソングライター、ミュージシャンとしても知られる。

イラストにこめたアリシアからのメッセージ

ビジョン・クエストとは、ネイティブ・アメリカンの通過儀礼のひとつで、自分の人生の使命を明確にするビジョンを求めて、動物の姿をした守護霊の助けを借りながら、放浪と祈りを繰り返すことです。 この絵では、幾重にも重なるビジョンが求道者の前に開かれ、求道者は祝福と感謝のために両手を挙げています。

ピープルツリーは、すべての存在に利益をもたらす包括的なビジョンに基づいて設立されたビジネスです。その中には、販売する商品を作る職人、会社で働く人々、贈り物や自分用に服や工芸品を購入する人々、そして地球とその子供たちも含まれています。 人類を襲った数々の惨事にもかかわらず、30年もの間、偉大なビジョンが現れ続けるのを目の当たりにしたことは、関係者全員にとって大きな祝福であり、教えでもあります。

この祝福が未来へと続きますように。

※このイラストは、下でご紹介している　30周年記念トートバッグ（300枚限定）にも使用されています。

ジェームズ・ミニー
（James Minney）
ピープルツリー社長・共同創設者

英国オックスフォード大学ベリオルカレッジ卒業。ロンドンおよび東京の大手金融機関に勤務。サフィア・ミニーをサポートし、1991年11月NGO「グローバル・ヴィレッジ」を設立。1995年1月フェアトレードブランド「ピープルツリー」を展開するフェアトレードカンパニー株式会社（FTCo）を、2001年3月ロンドンに「ピープルツリーリミテッド（PTLtd）」を設立。2007年1月FTCo及びPTLtdの取締役に就任してピープルツリーの活動に専念。2008年1月持株会社「ピープルツリーフェアトレードグループリミテッド」を設立、同社の取締役に就任。2015年12月FTCoの代表取締役に就任。

Message

近年の環境や生態系における危機的状況は、1970年代に既に世界中の科学者や経済学者が指摘していたにもかかわらず、まさに予測された通りに展開しています。

まるで私たち人類は何も進歩していないか、世界に全く影響を与えていないかのように思えます。

しかし、1991年から活動を行ってきた私たちより前あるいは後に、同じようなインスピレーションを受けて活動を始めた人たち――一緒に学んだ人、共に働いてきた人、その後活動家や社会起業家になった人、大きな組織の中でチェンジメーカーとして働きかけをしている人など ――と話をすると、30年で世界がどれだけ変わったかを実感します。

私たちは、世界を変えるのに「大きな」ビジョンは必要なく、世界を良くしたいという明確な想いと地道な作業のみが、変化をもたらすことを証明しました。

私はこれからも、フェアトレードの推進、環境に配慮した持続可能な生活スタイルやビジネスの推進、生態系の搾取を阻止するための活動を決してやめたくありませんが、世界を良くする方法が書かれている魔法のような本はありません。

それぞれが自分の考えを見つけて、自分の能力を最大限に発揮しましょう。あなたが考える世界を良くする方法は、私とはまったく違うかもしれませんが、目指すところは一緒です。すべての人々と地球にとってサステナブルな世界に向けて、さらに歩みを進めていきましょう。

ピープルツリー社長・共同創設者
ジェームズ・ミニー

サフィア・ミニー
（Safia Minney）
ピープルツリー共同創設者

英国ロンドン出身。1989年に来日し1991年NGO「グローバル・ヴィレッジ」設立、1993年から生産国をたびたび訪れフェアトレード商品の開発と共に、技術向上と環境配慮のプロジェクトで協働し、サプライチェーンの構築に取り組む。1995年、フェアトレードカンパニー株式会社を設立、代表取締役に就任。
2004年、シュワブ財団により「世界で最も傑出した社会起業家」のひとりに選出。2009年、フェアトレードとファッション業界への貢献が認められ、大英帝国勲章第五位（MBE）を受勲。
現在は、ピープルツリー非常勤取締役を続けながら、エシカルビジネスのコンサルタントとして活躍。

Message

私は30年前に、女性の権利や自然保護の問題をソーシャルビジネスの中心に据えてピープルツリーを設立したことを、とてもうれしく思っています。

熱心に支援いただいたお客様、（日々ともに働いてきた）チーム、生産者たち、メディアなど、その実現を可能にしてくださったみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。 今後の5年間は正念場です。 2030年もしくは遅くとも2040年までに、誰も取り残さないネット・ゼロへの道筋をつけるための考え方や行動を主流にする必要があります！数千を超える組織が、気候、生態系、社会の危機を宣言し、アクションプランを策定し実行し始めています。 私たちは、COP26での世界的な炭素税の導入、強力な政策と確約に大きな期待を寄せています。

みなさまのご支援と、引き続きより良いフェアな世界を目指す変化の担い手の一員でいてくださることに、感謝します。

ピープルツリー共同創設者
サフィア・ミニー

アシシ・ガーメンツ（インド）

ピープルツリーの商品の中でも人気の高いオーガニックコットン製品を生産している団体で、南インドの南端にあるタミルナドゥ州にあります。インドで育てたフェアトレード認証のオーガニックコットンを購入し、ドレスから下着まで幅広い商品に仕上げています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

30周年おめでとうございます。
ピープルツリーは、アシシ・ガーメンツの発展を支えてくれました。この絆は、人が入れ替わってもずっと失われることはないでしょう。
なぜオーガニックを選ぶのか？その答えは、自然への愛というシンプルなものです。オーガニックコットンの製品づくりというエシカル・ビジネスの黎明期は多くの困難がありましたが、ピールツリーは道を切り拓き指導者のように私達を導いてくれました。
収入を必要とする人に仕事の機会をつくってきたピープルツリーに、数え切れないほど多くの家族が感謝しています。
この旅が長く続き花開くよう、神のご加護がありますように。

シスター・ベッツィ
アシシ・ガーメンツ代表

クリエイティブ・ハンディクラフト（インド）

ムンバイのスラムで社会的に不利な立場に置かれ貧困に苦しむ女性たち訓練の場と仕事の機会を提供しているクリエイティブ・ハンディクラフトは、木材パルプからつくられた環境負荷の小さいエコ繊維でなめらかな手触りの「テンセルTM」をはじめとする、ピープルツリーのオーガニックコットン・コレクションの衣服を生産してくれています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリー30周年は、みなが幸せに暮らせる世界を目指して共に闘ってきた私達すべてにとって大きな達成です。
パートナーシップの始まりは2011年、WFTO（世界フェアトレード連盟）の国際会議でサフィア・ミニーさんに出会ったこと。同じゴールを目指す仲間として取引が始まり、衣料品の受注の増加に伴ってつくり手の女性達の暮らしも上向いていきました。ピープルツリーからの受注が絶えることは一度もありませんでした。

ピープルツリーがこれからも発展を続けますように、そしてみなさんの努力がより多くの人に恩恵をもたらしますように、他の何千人もの同志と共に心からお祝いいたします。

ジョニー・ジョゼフ
クリエイティブ・ハンディクラフト　ディレクター

ゴダバリ・デルタ・レース（インド）

レース工芸で有名なナルサプールという小さな町の女性のレース編み職人の協同組合です。仲買人によって搾取され、低い賃金しか支払われていなかった女性職人が集まって協同組合をつくり、自分たちで直接受注を始め、力を合わせて製品を売るようになりました。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

30周年おめでとうございます。

ピープルツリーとの20年以上のパートナーシップを通じて、新しい技術やトレンド、さまざまな形のバッグのつくり方など、多くのことを学びました。

継続的に発注を受けることで、職人達の生活は向上し、毎年新しいデザインを取り入れパターンを改善することができました。

これからも一緒に仕事を続け、私達が技術を磨いてゆけることを願っています。

感謝を込めて。

K.S.プラカシュ
ゴダバリ・デルタ・レース　プロジェクト・コーディネーター

サシャ（インド）

西ベンガル地方やオリッサ州を拠点とする100以上の小規模生産者グループを支援する非営利の団体です。ピープルツリーには毎シーズン、ハンドプリントの施されたシルクのドレスやトップスをはじめ、絞り染め、ブロックプリントなどの多様なプリント、手織りや手刺繍などの伝統技術を活かした衣服や雑貨製品が届けられます。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーとサシャは、20年以上に渡ってフェアトレードの価値観を共有してきました。

サシャの職人たちは高い品質の衣料品や服飾雑貨をつくり、革新的なデザインで新しい技術に挑戦したり伝統技術を発揮したりできるようになりました。ピープルツリーはフェアトレード・ファッションのパイオニアであり、つくり手の力を伸ばしながら継続的な取引を約束して収入の機会を守ってきました。このパートナーシップは、互いに頼り合い信頼しながら育まれてきたものです。
これからも一緒に、人と地球を優先するビジネスモデルを実践し、貧困や不平等、差別や環境破壊をなくしていきましょう。

ルーパ・メタ
サシャCEO／WFTO（世界フェアトレード連盟）理事長

タラ・プロジェクト（インド）

貧困層の人びとの生活向上を目指して1960年代に設立された、世界のフェアトレード運動の先駆的存在の団体です。アクセサリーやソープストーン製品、木製品などの生産によって大人たちが経済的に自立を果たし児童労働をなくすことを目指しています。学校に通えない子どもたち向けの教育プログラムも運営しています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーと支援を受けたすべての生産者にとって、このフェアトレードの旅は実に実り多いものでした。

ピープルツリーは草の根レベルで活動し、常にフェアトレードの価値を維持してきました。私たちは、生産者の利益を第一に考えながらデザインの緻密さを理解することや、商品開発、全体的な品質管理など多くのことを学びました。

ピープルツリー・ファミリーの一員であることを誇りに思います。すばらしいチームと仕事ができたことはとても豊かな経験でした。

貴重な仕事を得て多くの生産者が尊厳ある生活を送っています。子どもたちは学校に通え、女性たちは力をつけています。皆様のご支援とご協力に感謝いたします。

これからもご活躍をお祈りしています。ピープルツリーよ、永遠に！

ムーン・シャルマ
タラ・プロジェクト代表

フュージョン（インド）

オーガニックコットンをはじめとする、環境への負荷が少ない素材に特化した衣料品工場です。地球にやさしく、働く人びととそのコミュニティに還元されるものづくりを目指しており、ピープルツリーのベーシックなオーガニックコットン製品を生産しています。

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ラジラクシミ（インド）

インドにおけるオーガニックコットンとフェアトレード衣料品製造のパイオニアとして長い歴史を持つ、リーダー的存在です。現在ではインドのコルカタとデリー近郊2都市に製造拠点を置き、ニッティングから縫製、プリントまで自社で行っています。

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ボンボルル・ワークショップ（ケニア）

体に障害を持つ人びとが経済的・社会的に自立し、地域の一員として暮らせるよう支援するために1969年に設立された「ボンボルル・ワークショップ」では、アクセサリー、衣料品、木製品、皮革製品を作る4つの作業場で、150人以上が働いています。ピープルツリーでは、毎シーズン、ブラスやシルバー、ボーンを使用したアクセサリーを注文しています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーとの20年に渡るパートナーシップにより、私たちは手工芸品づくりを通じて^*異なる身体機能を持つ人びとを経済的・社会的に支援するという使命を少しは果たすことができ、商品開発やエシカルな取引、責任ある生産方法などの力をつけてきました。

日英のピープルツリーからの受注額は3,000ドルから5万ドルに増え、全売上の40%を占めています。世界的に経済が停滞する中でも発注を続けてくれ、私たちは活動を維持できています。職人たちは年間9カ月以上の仕事があり、日々の衣食住や教育の費用をまかなえます。

ケニアの諺を送ります。「ピープルツリーよ、永遠に。ロープは石をも切る」

過去・現在、そして未来に渡って、私たちのファミリーでいてくれて、ありがとう。

マーシャ・アウィノ
ボンボルル・ワークショップ　カスタマー・リエゾン・オフィサー

^*障害を持つ人びとを指す言葉

メル・ハーブ（ケニア）

ケニア山の麓の村で、家庭に安全な飲み水を引くために導入した給水システムの経費をまかなおうと、村で栽培するフルーツやハーブをジャムやお茶に加工して販売するようになりました。農家は有機認証の取得に取り組んでおり、200軒あまりの農家の7割近くが取得済みです。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーとのパートナーシップは1996年に始まりました。

今日、私たちは友情と協力の25年を祝います。

ピープルツリーはハーブティーとフルーツジャムの輸入を通じて、女性が大半を占めるメル・ハーブのスタッフや農民とその家族の生活水準の向上に大きな役割を果たしてくれました。有機JASの認証取得や食品の高い品質基準の設定などで支援をいただき、私たちは大きく成長しました。ピープルツリーが製品のマーケティングに取り組んだことが、メル・ハーブに希望と成功をもたらしました。

引き続き実りあるフェアトレード・パートナーシップが続くことを祈っています。

メル・ハーブ・チーム一同

ブルズソックス（トルコ）

世界に通用するデザインと高い品質のものづくりという理念のもとに設立されたトルコの都市イスタンブールにある小さな工場です。環境と人に優しいものづくりを目指し、オーガニック・テキスタイルの世界基準認証である「GOTS」認証を取得し、エシカルな素材を使ったソックスを生産しています。

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手工芸生産者連盟（ACP）（ネパール）

ネパールの伝統的な技術を活かしながら洗練されたデザインと高い品質によるものづくりを目指して、カトマンズをはじめ、ネパール全域の辺境地域に住む1,200人の生産者が、フェルト製品などの生産に携わっています。染め物をするとき発生する蒸気をフェルト製品をつくる際に利用するなど、環境保護に細心の注意を払っています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

30周年という大切な記念日にお祝いを述べることは、私達にとって喜びであり光栄です。

ピープルツリーとの20年以上に渡るパートナーシップは、すばらしい経験でした。職人達を支援できただけでなく、商品の品質の大切さを学んだことで私達は国際市場でも競争力をもてるようになりました。ピープルツリーは、フェアトレード・ファッションを積極的に広めることで、手仕事の商品の価値を高めることに大きな役割を果たしてきました。

この美しい旅に同行できたことを誇りに思います。この節目に、活動の原動力となった精神をさらに新しくし、立場の弱い人びとの暮らしを豊かにするという共通のゴールを目指して、一緒に歩みを続けていきましょう。

ミーラ・バタライ
手工芸生産者連盟（ACP）創設者／CEO

クムベシュワール・テクニカル・スクール（KTS）（ネパール）

貧困層の人びとに編み物やカーペット織りの職業訓練を無償で提供し、訓練を終えた人が働く生産プロジェクトの収益で小学校や孤児院も運営しています。ピープルツリーの手編みのカーディガンやセーター、ニット小物などを生産しています。在宅でできる手編みの仕事は、子どもを持つ女性や大学生が育児や学業と両立しながら収入を得る貴重な機会となっています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

22年間に渡るピープルツリーとのパートナーシップは、単なるバイヤーと生産者の関係に留まりません。取引開始前は500点だった売上数量が10万点にまで伸びたのは、ピープルツリーの指導やフィードバック、市場調査のための訪日などのサポートを受けながら、製品の品質やデザインを改善できたことによるものです。

このパートナーシップは、ネパールの低所得者層を支援する活動を続ける上でとても重要です。フェアトレードによる収入はすべて、子ども達への無料の保育や初等教育の提供、自宅で働く2000人以上の女性生産者たちへの無料の職業訓練の提供などに使われています。

ピープルツリーが30年に渡って多くの草の根の職人に生活の糧を提供してきたことを祝福するとともに、この素晴らしい仕事が今後も続くことを願っています。

キラン・バハドゥール・カドゥギ
クムベシュワール・テクニカル・スクール ディレクター

サナ・ハスタカラ（ネパール）

小さな規模で働く女性たちを中心とした、ネパールの手工芸品生産者の商品企画や販売を支援し、伝統的な技術を守っています。手づくりの陶器、手編みやフェルトの小物、衣服を生産しており、ピープルツリーにも衣料品から陶器まで、多様な商品が届けられます。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

20年以上に及ぶピープルツリーとのパートナーシップは、単なるビジネスの関係でなく、商品のデザインや品質についての学びの機会でもありました。

ピープルツリーは、2015年のネパール大震災や昨年来のコロナ禍で私達が困難な状況にあった時にも必要な支援を届けてくれ、深く感謝しています。また、商品の発注を続けてくれたことで、立場の弱い職人達の暮らしが支えられています。

私達のパートナーシップが更に強まることを願っています。ピープルツリーはこれからも、フェアトレードのパイオニアでいることでしょう。

チャンドラ・プラサド・カチパティ
サナ・ハスタカラ　ディレクター

ニュー・サドル（ネパール）

1989年にハンセン病患者の療養所として発足した「ニュー・サドル」は、 1997年から収入工場プロジェクトを開始し、社会的に立場の弱い人びとが収入を得る機会をつくり出しています。ピープルツリーには、伝統的な手法のダッカ織りをはじめとする手織りのバッグ類を届けています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

2003年に始まったピープルツリーとのパートナーシップにより、ネパールの伝統的なダッカ織りの生地を活かしたバッグや服飾雑貨などを日本に届けてこられたのはすばらしい成果でした。

ピープルツリーは商品を販売するだけでなく、祖母から母、娘へと受け継がれている伝統的な技術の守り手に仕事の機会をつくってくれています。

ネパール大震災やコロナ禍での支援は、金銭的にも精神的にも私達を救ってくれました。ピープルツリーは、フェアトレードがビジネスとして、ファッション産業の中で競争力をもてることを証明してくれました。

チームのみなさんに、大きな祝福をお送りします。

チトラ・バハドゥール
ニュー・サドル理事長

サイドプール・エンタープライズ（バングラデシュ）

1970年代に独立戦争で故郷を失った難民たちを支援するプロジェクトとして始まり、女性たちがプリントや縫製の技術を身に着け収入を得られるようになりました。バングラデシュ特産のジュート（麻の一種）やコットンを使ってバッグをつくる工房とハンドスクリーンプリントを行う工房で、70人以上の女性が働いています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーは、「グローバル・ヴィレッジ」として発足した当初からサイドプール・エンタープライズと取引を続けています。

初めの頃はジュート製のショッピングバッグやガーデニング雑貨などを届けていました。今や世界的なフェアトレード・ファッションのパイオニアとなったピープルツリーは、私たちの最も大切な取引先でもあります。

長いパートナーシップの間、創設者のサフィアさんとジェームズさん、デザイナーのみなさんが何度も来訪し、縫製や品質管理、書類の作成方法などを指導してくれたおかげで、職人たちが技術を向上させ生産能力を高めることができました。

私たちの成功の一翼を担ってくれたピープルツリーに感謝しています。これからも成功を続けられますように。

マスーム・イブヌル・ホク・カーン
サイドプール・エンタープライズ　ジェネラルマネージャー

アーティザン・ハット（バングラデシュ）

機械化の波に押されて仕事を失ったはた織り職人たちを支援するために設立されました。ノルシンディなどの農村地域で職人たちがつくった美しく複雑な手織りの生地が、ダッカにある小さな工場で1着ずつ丁寧に洋服に仕立てられています。伝統技術を活かした質の高いものづくりを通して、伝統の手仕事の継承を目指しています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

この幸福に満ちた30周年の記念日にあたり、ピープルツリーがこれからも誇りを持って、お客様、職人達、そして環境のために成功を続けられますようお祈りします。

アーティザン・ハット一同

バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツ（バングラデシュ）

テキスタイル製品の生産でフェアトレードのサプライチェーンを実現するため、織りと縫製の生産部門を運営し、ピープルツリーに手織りや起毛、ジャカードの衣料品を届けています。質の高いものづくりを通して手仕事や伝統技術の継承を目指すと共に、職人達にヘルスケアなどのサポートも行っています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーとの仕事は、手織りのフランネル生地の開発依頼を受けた2009年から始まりました。翌年、エマ・ワトソンとのコラボレーションによる若者向けのシャツを受注しました。

あれから11年、職人達は、デザインや技術の向上、環境にやさしい素材の使用などについてサポートを受けながら、伝統的な手織りの技術を使って美しい服をつくり続けています。

単なるバイヤーとしてでなく、親のように職人達を見守り世話をしてくれた、唯一のバイヤーであるピープルツリーに感謝しています。

コロナ禍で仕事が減り困窮した職人達のために、支援金を送っていただいたことも忘れません。

ピープルツリーの30周年は、ここまで導いてもらった私達の記念日でもあります。この素晴らしい日を一緒に祝いましょう。

パトリア・ジョンソン・ゴメス
バングラデシュ・デヴテック・アソシエイツ代表

プロクリティ（バングラデシュ）

ベンガル語で「自然」という意味を持つプロクリティは、自然資源を使った環境にやさしいハンドメイド製品を生産し、ジュート(黄麻)やカイザ草、パティ草、麻、竹などの国内で採れる天然繊維や、一枚ごと丁寧につくられる手漉き紙を活かしたアイディアあふれるものづくりを行っています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーと仕事を始めた30年近く前、サフィアさんやジェームズさん、そしてやさしく心の広いスタッフの女性たちが、土埃が立つ悪路をおして職人たちの工房や自宅を訪ねてきてくれたことを、年配の職人たちはまだ覚えています。

プロクリティは、夫を亡くすなどして生活に困窮する農村の女性たちが手工芸品づくりの技術を身に着け、収入を得られるよう支援しています。ピープルツリーは、数えきれないほどのミーティングや技術指導を通じて、彼女たちが世界で通用する商品をつくり、家庭や地域で発言できるまでに成長する手助けをしてくれました。

このすばらしいビジネスモデルの成功を、共に祝いましょう。

スワパン・クマール・ダス
プロクリティ　ディレクター

ジュート・ワークス（CJW）（バングラデシュ）

ジュートや草、籐、竹、テラコッタなど、地元で入手可能な自然資源を使用して手仕事のバスケットや雑貨、インテリアを生産しています。現在、国内23ヶ所の地域で多種多様な製品の生産を通して、地方の女性たちに家庭でできる仕事を提供し、社会参加を促すだけでなく、家族とともに安定した生活を送れるように支援しています。

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デュー・クラフト（バングラデシュ）

バングラデシュの低所得世帯を貧困から救い、経済的自立を支援するNPOのフェアトレード部門が独立し、農家や職人たちのさらなるサポートを目的として設立されました。ホグラや竹を使用した、手仕事のバスケットやザルを生産しています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

2006年に初の海外バイヤーとして取引を開始して以来、ピープルツリーから得た信頼と支援は、私達がビジネスを発展させる上で最大の原動力となりました。インスピレーションを与えてくれたことに感謝しています。商品開発やデザイン、品質管理、法令遵守など多くのことを学び、ピープルツリーに満足してもらう商品をつくることが、国際市場で通用する商品をつくるモチベーションになりました。

ピープルツリーは、自然災害やコロナウイルスのパンデミック、政情不安といった困難な状況の中でもいつも私達に寄り添ってくれました。職人グループを代表して心から感謝を申し上げます。

これからも一緒に、ベストを追い求めていきましょう！このすばらしい日を共に祝いましょう。

シャー・アブダス・サラーム
デュー・クラフト／ディベロップメント・ウィール創設者／CEO

クムディニ・ハンディクラフト（バングラデシュ）

職人が一色ずつ手押ししたブロックプリントや、伝統的なノクシカタ手刺繍など、手仕事を活かして美しい衣料品を生産しています。
フェアトレードの収益で約600床を抱える病院が運営され、低所得の人びとが医療研修や治療を無償で受けています。
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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーは30年に渡って、よりフェアな世界を築くというビジョンを実現するために邁進してきました。

すべての人が民族や身分などに関係なく貧困の罠から抜け出せる世界を目指すという同じ志を持って、創生期から一緒に活動できたことを誇りに思います。

時に困難に直面しながらも夢を実現するために日々努力を続けてきたピープルツリーのみなさまに、心から祝福を送ります。これからもずっと、このすばらしい活動を続けてゆかれますように。

ラジヴ・プラサド・シャハ
クムディニ財団理事長

タナパラ・スワローズ（バングラデシュ）

手織りや手刺繍、縫製などの手仕事を活かした衣料品を生産しています。1971年の独立戦争時に多くの男性が虐殺された村で、女性たちが技術を身に着け自立できるよう支援するために誕生しました。フェアトレードの収益で、貧しい家庭の子どもたちが無料で通える学校の運営や女性のための研修が行われています。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

長年私たちの最も大切なバイヤーであるピープルツリーは、私たちの手織りのコットン衣料品を単に仕入れるだけでなく、品質を向上させ新たなデザインを生み出す手助けをしてくれます。

150人の子どもたちが通うスワローズの小学校は、フェアトレードの収益で運営されています。また、職人たちの子どもを預かる保育所の運営にも支援をいただいています。

日本のお客様をタナパラ村に招いて村の人びとの暮らしぶりを体験してもらうツアーや、ドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト』の取材によって、タナパラ・スワローズの活動を広く世界に紹介してくれ、本当に感謝しています。

ライハン・アリ
タナパラ・スワローズ　ディレクター

サフィー（フィリピン）

農村地域のコミュニティの経済的、社会的発展を支えるため、1966年に設立されたNGOの貿易部門です。職業訓練や保健・栄養についての社会福祉プログラムも運営しています。フィリピン各地の生産者グループが、現地で採れる植物の繊維や実、貝殻などの自然素材を生かした手工芸品を生産しており、ピープルツリーではカピス製のアクセサリーが人気です。

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Message
30周年に際してピープルツリーへ

私達とピープルツリーのパートナーシップは’90年代に遡り、みなさんが私達の小規模な生産者や職人達を支えてくださり20年以上になります。

支援を続けてくださったことに感謝します。そしてこれからも、フィリピンの小規模生産者の生計を支え続けていただけることを願っています。

30周年おめでとうございます。

ピープルツリーに、さらに力が与えられますように！

ロウィナ・アリンドガン・アントニオ
サフィー ディレクター

プレダ基金（フィリピン）

ストリートチルドレンや性産業などで虐待を受けた子どもたちを保護し、児童買春の原因となる貧困問題の解決に取り組むプレダ基金は、不当に買い叩かれるなど弱い立場にあったフィリピンのマンゴー農家が生計を立てられるよう、フェアトレードで支援しています。

詳しくはこちら＞＞
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Message
30周年に際してピープルツリーへ

ピープルツリーと私たちは協力して長い友情を持ち続け、小規模農家や貧しい人々を長年にわたって支援してきました。

あなたたちの仕事と成功を歓び、敬意を表します。おめでとう ！

多くの子どもたちが邪悪な取引から救われ、人生の新たなスタートをきりました。 彼らは治療、教育、肯定、励まし、そして人として必要なすべてのケアを受けることができました。 これは、フェアトレードとピープルツリーとのパートナーシップによるものです。

公正に行動し、貧しい人々を世話し、富を分かち合い、すべての人々に平等を与えるという、今日すべての人に必要なことをピープルツリーは実践し、懸命に取り組んでいます。

感謝と祝福を。

プレダ基金創設者
シェイ・カレン神父

チョコ

カカオ生産者
  ボリビア：エルセイボ
  ペルー：ノランディーノ、オロベルデ
  ドミニカ：コナカド
砂糖生産者
  フィリピン：オルタートレード
  パラグアイ：マンドゥヴィラ

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紅茶

インド：マカイバリ茶園

詳しくはこちら＞＞

コーヒー

ペルー：コクラ
ラオス：JCFC

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アフリカドライフルーツ

マダガスカル：リチーランド
ウガンダ：フローナ

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ハチミツ

エチオピア：ベザマール

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「ピープルツリーな人」トップバッターは、グローバル・ヴィレッジ代表の胤森なお子さん。
1995年に 『アースカタログ』でのお買い物から始まり、イベントや翻訳などのボランティアスタッフを経て17年間ピープルツリーで広報や経営に携わりました。
現在はグローバル・ヴィレッジの代表として、また「日本フェアトレード・フォーラム」の理事としてフェアトレードの普及・啓発を続けています。
そのほか、自宅近くの義母の家を改装してコミュニティ型カフェを運営し、電気を自給自足したりする、“自分にとって心地よい暮らし”を実践しています。

Vol.1
胤森なお子（たねもり・なおこ）さん

金・土のみランチ営業している「なごみカフェ」は、車いすやベビーカーも利用しやすいバリアフリー。6年前に東京の下町・大田区糀谷（こうじや）に引越したのを機に、地元とつながることがしたくて、子どもたちやママ、高齢者……さまざまな世代の人が気軽に集い、交流できる場づくりをしたんですね。

子どものころは父が転勤族、社会人になってからも地元コミュニティに属した生活をしたことがなかったので、今度は地元に根を張って自分の居場所をつくりたくて。

ちょうど義母の家のリフォーム計画が進んでいた頃、「おおた高齢者見守りネットワーク」が運営するコミュティ型カフェの存在を知り、「これだ！」と。話を聞きに行ったら地域包括支援センターを紹介していただき、そこで一緒にプランづくりをすることになって、とんとん拍子に事が運びました。

カフェではランチ提供のほか、有機大豆を使った味噌づくりなどのイベントをしてきましたが、4年目になって、ご近所のママたちが定期的にワークショップを企画してくれるようになりました。場としての活用が広がってきています。

カフェに出すランチは、できるだけ無農薬、無化学肥料で育てたお野菜を中心に、添加物なしの調味料で作られたヘルシーなもの。「自分が食べたいもの」という基準で食材を選んでいます。

自分が食べているものは誰が作っているんだろう、電気や水はどこから来てるんだろう？　自分が預けたお金はどう使われているのか？　ということが気になり始めたのは、フェアトレードを知ってからですね。

今の自宅は、自然と健康と暮らしを大事にする建築会社の社長さんと意気投合して、リフォームを依頼。昔ながらの石灰と海藻を使った漆喰の壁や、ヒノキ材で床を張ってもらい、電力の自給自足のため自家発電の設備も入れました。

また、自宅やカフェで出る生ごみはコンポストで堆肥にしていて、ここ10年ほどごみとして捨てていません。駐車場の端や屋上を菜園にして、いんげんやトマトなど自分で食べるものへと循環しています。自然の力って本当にすごい。2週間くらいで土に還っていて。見えないけど、微生物が働いてくれているんだなぁと思うと、自然への感謝の念がわいてきますね。

発電や蓄電設備、温水設備、雨水利用……こういう生活をしていると、「元は取れるの？」と聞かれることも。採算を取るためにしているのではなくて、自分の価値観に合った「心地よい暮らし」をするための投資だと思っています。

「行動力がある」と言われると、自分は切り開くタイプでは全くないと思っているので、実感がないですね。来るもの拒まずの受け身だと。ただ、人との出会いや、本や記事を読んで面白い！と思ったら、すぐ問い合わせてみます。そこで新たな情報を得たり、意気投合して何かを始めるきっかけになったり……たくさんのご縁で動いてきました。「積極的な受け身」と言うと、しっくりきますね。

胤森なお子さん
グローバル・ヴィレッジ代表
一般社団法人「日本フェアトレード・フォーラム」理事
一般社団法人「こうじや文化村」代表理事

★なごみカフェ
(https://www.facebook.com/nagomicafe.kojiyabunkamura)

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  カフェの前で、ボランティアスタッフの二人と

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  カフェで行っているワークショップ

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  味噌造りワークショップ

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  24台の蓄電池に電気を貯めて使う。
  月1回、補水作業が必要

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  自宅屋上に設置した太陽光発電パネル
  

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  生ごみはこのコンポストで堆肥に
  

「ピープルツリーな人」Vol.2は、2人のお子さんを育てながら、エシカルウエディングの企画・運営をするWalk in Beauty代表の加唐花子さん。
高校生の頃、地雷廃絶の活動家の女性がノーベル平和賞を受賞したことに感動したのをきっかけに、「国際協力」がライフテーマに。社会的な活動をするためにも、仕事を進め組織を運営するスキルが必要と考え、コンサルティング会社に入社。その後、念願かなってピープルツリーに転職して、2012年の退職まで約10年間、通販や卸営業を担当、チームマネージャーも務めました

Vol.2
加唐花子（かから・はなこ）さん

Walk in Beautyは、ネイティブアメリカンのあいさつで、「七代先を生きる世代まで、美しさの中を歩めますように」という祈りが込められています。言葉を知って以来ずっとコンセプトとして大事にしてきて、その具体的なアクションとして、2013年、「ウエディングを通じてフェアトレードやエシカルを広めよう！」と情報発信を始めたんです。第一子妊娠中のことでした。

きっかけは、たまたまいろんなご縁が重なって。2010年に自分の結婚式を挙げたときに、ただでさえ準備にエネルギーを使うし、「エシカルにしたい」と思っていてもチョイスは全然ないし、なかなか情報にたどり着けずにいたんですね。

ライフスタイルの変化で退職を決めたころ、ピープルツリーで手織りに手刺繍のオリジナルウエディングドレスの企画が持ち上がっていて。自分の結婚式には間に合わなかったけれど、お祝いの中でフェアトレードの商品が広がっていくのって、なんて素敵なことだろう！と、その可能性にワクワクしたんです。

もともとウエディングが大好きで、学生時代に式場のアルバイトに明け暮れていたくらい。でも、大量に残飯や花が捨てられる現実も見て、胸がチクチク。その時はバイトだし、何もできずにいた。でも今なら解決策を提案できるんじゃない？と思って。

最初のころのお客さまは、ピープルツリーのドレスやギフトからエシカルウエディングのコンセプトを知った方が多かったですが、今はSNSで「エシカル　結婚式」などで検索して見つけてくれる方が増えました。

三浦半島の自然が楽しめる農園レストランでのウエディングもプロデュースしています。たまたま家の近くに有機栽培のお野菜を出す農園レストランがあって、式場候補として新郎新婦さんたちと訪問したのが出合いです。第二子の出産後、しばらく仕事をお休みしていたんですけど、その農園が本格的に野外ウエディングに力を入れていこうというタイミングで、お声がけいただいて。

その農園でウエディングフェスを企画していたのですが、コロナ禍で中止に。ウエディング業界はコロナ禍で本当に大きな打撃を受けて、新郎新婦と号泣したことも。一方で、より本質的なことを考える時間を与えてくれて、既成概念をぶち壊してくれたところもありました。その成果が、今年8月に立ち上げたエシカルウエディング協会です。

同じ想いのフリーランスの方や企業が集ってくれています。ウエディングのプロデュースは1人ではできなくて、カメラマン、ヘアメイク、会場設営、装飾、料理、フラワーアレンジメント……さまざまなプロフェッショナルがチームとなって動きます。それぞれのプロがウエディングを通じて社会を良くしていければいいな、と。

使命として、エシカルウエディングのコンセプトを広めることがしたい。なので、私がプランナーとして動くだけでなく、同じ想いを持ったプランナーを増やしていきたいんです。協会では、結婚式を運営していけるプランナーとしてのスキルだけでなく、人間力というのか、エシカルマインドや思いを形にする力を身につけられるような、情報発信やコンサルをしていきたいと考えています。

とにかくピープルツリーが好きで。辞めてなおさら、という気持ち。エシカルウエディングのコンセプトを広めることで、生産者さんたちへの発注を増やすことに貢献したい。それが仕事を通じた社会貢献だと思っています。


加唐花子さん
Walk in Beauty代表(http://walkinbeautybridal.com/)
一般社団法人エシカルウエディング協会理事(https://ethicalwedding.info)

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  新郎新婦との3ショット

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  オーガニックの菜の花に囲まれて、打ち合わせ

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  新郎新婦とウェディングのスタッフで

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  ピープルツリーの展示会にて

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  農園レストランでのウェディング・フォト

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  大学時代、バングラデシュにて

「ピープルツリーな人」Vol.3は、1点物のリメイクやオーダーメイド、洋服や生活雑貨の型紙づくりからお仕立てをする「mogana」の永岡育子さんです。
一般的なアパレル企業にパタンナーとして就職後、物資支援やボランティアを長らくしてきたご家族の影響で、自分の好きなことで「仕事」として実践的に社会貢献できたら面白いと、2008年にピープルツリー自由が丘店のショップスタッフのアルバイトからスタート。
その後、ピープルツリーがブランドとしてフェアトレードファッションに力を入れていくタイミングで、初めての社内パタンナーとして採用されます。たくさんの課題に向き合いつつ、数々のファッションアイテムのパターンを手掛けました。その集大成が、オリジナルのウエディングドレス。生産者さんたちへの技術指導や丁寧なやり取りの積み重ねの賜物です。ご自身の結婚式で自ら身に付け、思い出深い仕事になりました。
2017年、育児による退職を経て、社外パタンナーとして現在もピープルツリーでお仕事しています。

Vol.3
永岡育子（ながおか・いくこ）さん

「mogana」を立ち上げたきっかけは、服飾専門学校時代の刺繍作家の友達からの依頼でした。彼女はオーガニックコットンの刺繍糸の開発や作品制作をしていて、その一環でナチュラルなライフスタイルの関心も高まって、布ナプキンのデザインをすることに。その縫製を私に頼んでくれたんですね。

それまでは子育てにいっぱいいっぱいで、自分のことをやるなんて考えられなかったんですけど、少し余裕が出てきたところでお仕事を再開させたいなぁという思いもあって。依頼をきっかけに、私に何ができるかな？と考えました。

私は根っからのパタンナー気質で、０から新たに生み出すより、自分と似た感覚の人のデザインを形にしていくのに喜びを感じるほうなんです。１人でやる仕事となったら、デザインを自分で起こすより、例えば普通の人の「こういう服が欲しいなぁ」とか「衿がもうちょっと、こうなっていたらいいのに」という希望をかなえたい、と考えました。

その思いを込めて、日本の古語で「〜であればいいなぁ」という願望を表す「もがな」をブランド名にしました。

ピープルツリーの元同僚からの依頼で、お母さまの形見の着物をドレスに仕立てたこともあります。希望を聞きながら、柄やシルエットを美しく生かす工夫をしました。とても喜んでもらえて、私はこういう仕事がしたかったんだ！と改めて実感。着物をほどいたときは、作った人がこんな大変なことをしていたのかと感動しました。一方で、見えない部分の縫い目はいい加減だったりして。手縫いだから、縫い手の個性が表れていて、そこに味がある。和裁も学んでみたいですね。

サンプルづくりや、工場に依頼するほどでない少量の生産も引き受けています。好きな世界観が似ている、自然や手仕事に関心のある方からの依頼が多いです。想いのある依頼が多いから、私も作っていて楽しい。

海が大好きで、ずっと自然の近くに住みたくて。子どもが大きくなるにつれて自然の中で育てたいという気持ちが強まり、葉山に越して4年になります。仕事は仕事、暮らしは暮らしと分けてしまうのではなくて、同じ価値観でいられるのって大事。あまり深く考えて行動してきたわけではないけれど、自分らしい原点に戻ってきた感じです。

moganaを始めるにあたっていろんな人に話を聞いているうちに、「自分でここを直したい」「簡単なものでいいから自分で作りたい」というニーズから、「お教室をやってほしい」という声もいただきました。私自身、マンツーマンに近いかたちで教えることにとても興味があります。今はコロナ禍だし、おなかの第2子が8か月なので、将来的にはできたらなぁと思っています。やりたいこと、やれることは、まだまだいっぱいありますね。


永岡育子さん
mogana(https://www.instagram.com/_mogana_stitch)
ウエディングドレス誕生ストーリーはこちら >

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  伝えるだけで精一杯！ バングラデシュ初出張

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  型紙づくりは思いを形にする重要な作業

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  着物をドレスに

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  小さいお客様からのご依頼も♪

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  のれんの藍染

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  染色作家さんとのコラボ　藍染のエコバック

「ピープルツリーな人」Vol.4は、「toko Y.Y　トコ・ワイワイ」の吉田庸子さん。千葉県いすみ市と東京の2拠点生活をしながら、環境が異なるふたつの暮らしならではの目線で地域と都会それぞれのいいところをつなぐ活動をしています。
大学時代に研修やボランティアでフィリピンやインドネシアへ行き、貧富の差の激しさを目の当たりにします。NGOで活動するには語学力が必要と、オーストラリア政府の日本語教育に力を入れるプロジェクトに参加。1年間、日本語講師としてオーストラリアでフェアトレードやオーガニックが身近な暮らしを体験後、都庁受付、国際協力団体でのアルバイトを経て、2003年にピープルツリーのショップスタッフとして入社。表参道店の店長を務め成功を収めるも、東日本大震災後の退店を機に2012年に退職。仙台に移住し復興プロジェクトに従事し、任期終了後に2拠点生活を始めました。

Vol.4
吉田庸子（よしだ・ようこ）さん

やっぱり震災は大きな転機でした。恥ずかしながら自分が使う電気がどこから来ているのか、それまで考えたことがなかった。バックパッカーブームだった学生時代から国際協力に興味があって、外に目が向いていました。でも震災を機に、ピープルツリーで10年働いて「フェアトレードは天職」という思いはありつつ、これからの10年は地域のために仕事しようと思って。

ショップスタッフはお客さまの声を直接聞ける、「現場感」のあるお仕事でした。私は現場が大事だと思っていて、被災地支援も実際に現地の人たちの顔が見たかった。いろいろ探して、復興のために立ち上がった数多くの市民団体を資金援助する仙台のコミュニティ財団で、想いはあるけれど団体運営や会計などのノウハウがない方々をサポートすることに。2013年6月でした。

仙台に行って気づいたのが、グローバルとローカルって対極にあるようでいて、根本は一緒なんじゃないかと。グローバルなイメージのフェアトレードも、実際にやっていることは草の根的で、地域コミュニティをサポートしたり、生産者さんのことを伝えることで支援したりと、とてもローカル。

2年半の任期を終えるころ、まだまだ地域密着な仕事をしたいと思いつつ、父の入院をきっかけに近くに住むことを決めました。ちょうど両親の住まいに近いいすみ市で「地域おこし協力隊」の募集があって、毎日曜日開催の大原漁港・港の朝市の運営要員として、2016年4月に採用されました。

港の朝市の仕事はFAXや手紙が主流の超アナログで、都会の仕事の仕方が全然通用しない。地域の事業者さんも行政側もごちゃ混ぜな濃い人間関係の中で、泥臭く地道なコミュニケーションが必要でした。時間もかかるし効率も悪かったけれど、丁寧に接することで信頼を得て、協力隊の3年の任期が終わるころには、次の仕事の心配までしてくれて。

今は市内の直売所や事業者さんのサポート他、地域の魅力を伝えるワークショップや暮らしを楽しむ情報発信をしているのですが、この活動も、港の朝市のご縁から。思えばピープルツリー退職以降、すべて人のご縁だけで動いてきました。私は人が集って、楽しんでいるのを見るのが好き。「toko Y.Y」のtokoはインドネシア語でお店、Y.Yは私のイニシャルと「わいわい」をかけています。

2拠点生活している理由の1つは、旅行に行くと視野が広がるように、外から眺めることができるから。都会的なことを都会の言語でそのまま地域に持ち込んでも上手くいかなくて、地域に合わせた翻訳作業が必要だし、逆もしかり。ある程度「よそ者」感のある自分だから出来ることなんじゃないかと。

ピープルツリーで働いていた時に大好きだったのが、「スロー、スモール、サステナブル」というスローガン。自分に合っているし、地域で活動するにあたってはそれが一番。十何年も前に聞いた言葉だけど、今だからこそなおさら大切にしている指標です。想いを持って活動してきた人たちが長年大事にしてきたことが、時を経て一般にもムーブメントになっていく。そんなふうにこれからの時代は変わっていくんじゃないかと思います。


吉田庸子さん
トコ・ワイワイ（toko Y.Y）(https://www.instagram.com/toko_y.y/)

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  ライターのピープルツリー元同僚と大船渡にて

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  自由が丘店で東北の現状についてお話会

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  港の朝市出店事業者さんと会場にて

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  バスタ新宿で市役所職員さんといすみ産品のPR

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  東京で石けんづくりワークショップ

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  いすみの拠点に自宅の蔵をリノベーション中

「ピープルツリーな人」最後にご紹介するのは、ピープルツリーで輸入手続き、倉庫の管理、そしてお客さまへ発送の一連の流れを担当している「サプライチェーンマネジメント（SCM）チーム」のマネージャーを務める原野聡子さん。

2005年に入社以来、担当業務を遂行するだけでなく、社内全体の動きに滞りがあれば率先して風穴を開け変化を促す、なくてはならない存在です。

東日本大震災をきっかけに、災害復興支援ボランティアとして、福島や熊本、岡山など災害が発生し支援が必要なところがあれば、時間を見つけてはできる範囲でボランティア活動に勤しんでいます。また時間をうまく使って、ダンスや書道、着物を楽しんだり、田んぼで米作りをしたりと、公私にわたってパワフルに活動されています。

Vol.5
原野聡子（はらの・さとこ）さん

「いろいろやってるよね」と言われますが、学生時代から、1日に3つまでの案件だったらこなせるという感覚があります。ダンスや書道は仕事の後に行くから、週末は全く自由。お着物で出かけたり、田んぼで米作りをしたり。実家が宮崎の山の中にあるので山仕事を覚えようと、たけのこを掘ったり、山椒の実を煮たりと旬を楽しむ生活をしていたら、同僚から脱穀以外は完全手作業で米作りをする横浜市の田んぼを紹介されました。

入社当時はスタッフの三分の一くらいが外国人で、何かあるとオフィスで食事会をしたり、誕生日にケーキを用意してお祝いする社風がとても素敵だと思いました。40歳になったとき、意識的に周りの人たちに感謝を伝えたいと思うようになって。家に友人たちを招いてコース料理を自作して振舞ったこともあります。

コロナ以前は3か月先まで予定が埋まっているほど忙しかったけれど、自分の限界も知ることに。仕事をするうえで、「ある程度のスピードで淡々とずっと続けられること」の貴重さを父に説かれました。何十年も継続するためには、ずっとトップスピードでは無理。戦線離脱したら、結局、周りにも負荷をかけてしまいます。ボランティアでも、体調管理や安全対策は自己責任だけど、自分のためだけじゃない。これはダンスも同じで、群舞で1人でも欠けるとフォーメーションが上手く取れない。チームで動いていることの責任を感じます。

ボランティアを始めたのは、自分が行こうと思えば行ける距離のところが大変なのに、何もせずに途上国支援の仕事を続けることが出来なかったからです。東北での支援活動は、私がピープルツリーで仕事を続ける上で必要なことでした。

全体を見て、いくつもの課題を交通整理して、「今」何をすべきかを考えるのを意識的にするようになったのは、ボランティアの経験からです。復興支援ボランティアって、メンバー、ジェンダーバランス、ミッション、リソース、すべてが現場ごとに違って、限られた時間で毎回何らかの結果を出す必要があるんですよね。みんなで1つの目的に向かってどう結果を出していくのか？　自分に何ができる？ を常に考えるので、めちゃくちゃ脳みそが鍛えられました。

力仕事がメインの現場で、女性である私が入ることでチーム全体の戦力が下がってしまうのでは……と悩んだこともありました。でも、体が小さいから狭いところにも入れたり、負傷者の手当てをしたり、男女それぞれ向いている役割分担もあることに気づきました。

岡山の水害被災地で、大きな家の解体作業をしたときのこと。立派な鏡があって、これは割らないようにしたいね、と男性陣が丁寧に運び出して。私が活動に参加しているボランティアチームでは、最終的に捨てることになっても、どうするかを持ち主ご本人が考えられるように「選択肢」を残すことも考えながら作業します。復興のための解体はできるだけ前向きになってもらうための作業だから。そんなふうに配慮できる人たちと一緒に作業できるのも、素晴らしい体験でした。

人の交流が極端に減ったコロナ禍で失っていることは大きいと思います。ですが、何事も経験。どう受け止めるのかは、自分次第。震災がなければ知り合うこともなかった人たちとの出会いが、自分にとって本当に特別なように、どうしたらピンチをチャンスにできるのか？も、自分の手の中にあると思います。　


原野聡子さん
ピープルツリーのおしごと　～その3 輸入・物流チーム編～(https://ethical.peopletree.co.jp/archives/202)

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  実家の山で、たけのこ堀り

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  ダンスチームでの発表会

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  岡山の被災地で、運び出した鏡の前にて

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  毎年、新米が楽しみ♪　

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  着物を楽しむために素敵な場所へ

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  SCMチームは2画面使いで作業効率化