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オーガニック運動とフェアトレードの重要性について、サフィアがギーとギティーと語る

グリーンピース・ジャパンの自然エネルギー担当高田久代(たかだ・ひさよ)さん

ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ代表のサフィア・ミニーのインタビュー。

デューク・オブ・ケンブリッジ・オーガニック・パブの創立者であり、ピープル・ツリー基金の理事であるギティー・シン(写真:右)と、オーガニック食品、リバーフォード・ファーム創始者のギー・ワトソン(写真:左)にインタビューしました。



デューク・オブ・ケンブリッジ・オーガニック・パブの創立者であり、ピープル・ツリー基金の理事であるギティー・シンにサフィアがインタビューしました。

ギティー・シン

サフィア : オーガニック運動の主だった活動家の1人として、オーガニック運動とフェアトレード運動の大きな類似点は何でしょうか。

ギティー : オーガニック運動への取り組みはすべて、プラスの変化を起こそう、社会と環境にプラスの影響を与えようとするものです。フェアトレード運動への関わりあいについても同じです。私のパブでは紅茶やコーヒー、スパイス、ワインはできる限りフェアトレードのものを買っています。

サフィア : ご自分の生活についてはどうですか。生活スタイルや着るものをより持続可能なものにするためにどうされていますか。

ギティー : 食べ物については常にオーガニックでの地元産の季節の食品を買っています。スーパーマーケットで買い物をすることは一切ありません。ロンドンでは山ほどファーマーズ・マーケットがあるので、スーパーマーケットに代わるものが見つからない、というのは言い訳にはなりません。とても簡単に見つかります。

しかし、ことファッションに関しては少し事情が異なります。これまでチャリティー・ショップやビンテージ・マーケットで買い物をしてきました。また手製のホームメイドのものをできる限り買っています。ごく最近まで、食品に適用しているのと同じ原則をファッションに適用するのは無理がありました。
しかし今ではピープル・ツリーの商品の幅は驚くほどで、頭の先から足の先まで「新しく」てなおかつエシカルな(倫理的な)装いをすることが可能です。私には絶対的な哲学があり、娘のメイベルにはそれを実践しています。オーガニック、フェアトレード、ホームメイド、中古品。メイベルはこれに当てはまらないものは一切持っていません! 自分の洋服に対しても8割はこれを適用しています。残りの2割は質の高い長く使えるものを買うようにしています。トップショップやその他ハイストリートのブランド品は決して買いません。どこでどんな風にその洋服が作られたのか一切わからないのですから。

サフィア : オーガニック運動からフェアトレードに入ってこられましたが、一番関心があるのはオーガニックコットン、現地栽培、環境面のことですか。それとも手織りや手刺繍、手編みといった要素、つまりピープル・ツリーの活動の中の社会的な側面である手仕事、暮らしにも魅力を感じていますか。

ギティー : オーガニックコットンは私にとって本当に重要です。単にフェアトレードだというだけで環境への影響に対する考えがなければ、大きな妥協だと見なしていたでしょう。しかし素材の品質や手仕事の技能、細かいところも私にとっては非常に重要です。生地や手触りについても大変熱い思いがあり、買い物をするときには手で感触を確かめます。品質に対する目が培われば、質の高いものがあれば見て触ればすぐにわかるようになります。チャリティー・ショップに足を踏み入れれば、すぐに最高のものを選びとる自信は常にあります。

サフィア : ご家庭にある一番お気に入りの大事にしているものについて教えてください。ハンドクラフトゆえに特にお気に入りだというピープル・ツリーの商品はありますか。

ギティー : ピープル・ツリーの洋服はとても美しく作られており特に一点を選ぶのは難しいですが、手編みの物は大好きです。手作りだということをとても感じさせてくれます! 
私は家族から代々引き継がれてきた素晴らしいものをいくつか持っています。曽祖母から引き継いだ素敵な毛布は寝室の角にある肘掛椅子にかけてあって、誰も触ってはいけないことになっています! インド系の祖母から受け継いだ布地からブラインドを作りました。ベッドの端にはかつて祖母がベッドで身に着けていたショールがあります。その上にかかっているのは大叔母のマーガレットのカシミア製のショールです。いわば祖母たちのものが美しい布素材として残っているということですね。

サフィア : ピープル・ツリー基金の理事になっていただいたきっかけは何ですか。

ギティー : サフィアさんやあなたのチームがピープル・ツリーを運営しているやり方に心底驚いたからです。あなたの掲げたビジネス・モデル、そして世界に与えるプラスの影響に大変感銘を受けました。1人1人が実際にどれほど影響を及ぼしうるか、理事として多いに学びました。基金を支援し、フェアトレードに対してもっと資金を提供し、より多くのファッション・ビジネスが責任ある行動を起こすよう促していけるよう願っています。




オーガニック食品、リバーフォード・ファーム創始者のギー・ワトソンにインタビュー

サフィア : オーガニック運動を始めたきっかけは何ですか。

ギー : オーガニックは成長目覚ましい市場でした。若かった私は自分の事業を興したいと思っていたのですが、将来性が高いと思ったのです。さらに個人的にも殺虫剤を使いたくないと思っていました。年を追うごとにますますその傾向が強くなってきました。

サフィア : どうして殺虫剤を使いたくないと思ったのですか。

ギー : 兄が殺虫剤の毒で入院したことがあったからです。また若い頃、自分も作物に殺虫剤を使用することで健康を害しました。もうこれ以上このような化学剤は扱いたくないと単純に思ったのです。

サフィア : リバーフォード・ファームは今では大変成功しているビジネスとなっていますが、初めは大変小さなニッチなビジネスだったでしょう。成功への転換点は何だったのですか

ギー : 当初は主に地元のショップに野菜を売っていました。オーガニックだからというより、新鮮で味がよかったからです。時を経てだんだん腕も上がり、過ちの数も少なくなってきました。マーケットが大きくなり始め、オーガニック食品の販売や商品にプレミアムをつける事も容易になってきました。ビジネスは1986年に始まり、1993年までにはやりやすくなり、その後1998年から2007年までは雪だるま式に大きくなりました。ホール・オーガニック・フード・マーケットが立ち上がった時期で、ビジネスは天文学的な成長を遂げました。

サフィア : 消費者の意識や要望をオーガニック食品を買う方向に向かわせたのは何ですか。

ギー : 人びとは長らく変化を求めていました。食料が生産される方法について不信感と、何か別の物を求める気持ちが高まっていました。私たちは幸運にもその溝を埋めたのです。当初は競争は全くありませんでした。今では違います。

サフィア : そうですね。今ではスーパーで簡単にオーガニック食品を買えます。そのことはリバーフォード・オーガニック・ファームにどんな影響を与えましたか。スーパーでオーガニック食品の選択肢があることで、どんな変化が起きましたか。

ギー : スーパーで売られるオーガニック食品が過剰包装で生産者の名前もないようなものであれば、私たちの活動とは何ら関連はありません。誰が栽培したのか、どこから来たのか誰も分からないのですから。スーパーで扱うオーガニック物の大半は専門のところで、味よりも見かけを管理されています。通常の野菜とたいてい味も変わりません。単にオーガニックであるだけではなく、味も良くなければいけません。

例えば地味な人参を例にとりましょう。私たちは味の良い人参の種類を見いだそうと多いに努力しました。市場にある人参の種類はほぼすべて、そして在来種も栽培し味のテストをしました。一般的に味のテストで結論を出すのは難しいのですが、この場合圧倒的な結果が出ました。イギリス市場の50%を占めるナイロビ人参の味は落第でした! 誰もが、生産者でさえ同じ意見でしたが、丈夫で(つまり機械による収穫や、袋詰め、処理に耐えられる)形が良く、収穫高が高いために継続して栽培されています。悲しいことに農家は味の良い人参を栽培することが金銭面でプラスにはなりません。生活の糧を得るためだけに、ナイロビ人参を栽培するしか選択肢はありません。リバーフォードではジュニアと呼ばれる人参を栽培することにしました。何マイルも離れた所からこの人参を買いに来ますが、こちらの方が値段は高いのです。

サフィア : だからリバーフォード・ファームの人参はこんなにおいしいのですね!

コットン栽培産業やフェアトレード・ファッションと類似点があります。ピープル・ツリーでは、利益追求のために行われている「底辺への競争」を変えようと常に努力しています。

ギー :そうですね。あなたと同じように、私の目標は良い食品、オーガニック食品を誰でも利用できるようにすることです。エリートの人たちの物にはしたくなかったのです。そのためにはハイブリッド種を栽培しなくてはなりません。保存期間も良く、丈夫さ、均一さという点では大きなメリットがあります。高品質種だけを栽培していては、ビジネスとして成り立ちません。しかしどこで線引きをすべきか知っておく必要があります。悲しいことに市場の基準は後退し続けており、ビジネスが短期の利益を追い求めれば基準もどんどん下がります。今では桃の買い入れを拒んでいます。保存期間だけを目途に栽培し、ひどいものです。トマトも同じです。スペインから入るトマトは信じられないほど皮が厚くそのため輸送に耐えスーパーの棚でも1週間もちます。リバーフォードでは味に重きを置き、できる限り熟したら摘むようにしていますが、早く輸送し販売しなくてはなりません。

サフィア : オーガニック運動とフェアトレード運動の類似点は何だと思いますか。

ギー : 両者とも市場を使ってより良い世界を作ろうとしています。私たちはビジネスをプラスに使って、農業に倫理面や環境面の恩恵をもたらそうとしています。困難に満ちていますが、何もしないよりはましです。

サフィア : 法制化によって、私たちのようなビジネスが人や環境を搾取してできる商品と競争できるよう、機会を提供することは可能だと思いますか。

ギー : どう法制化できるのか見えません。たとえはっきりと警報がなっていても、政府はなかなか行動を起こそうとしません。

サフィア : たとえそうであったとしても、私たちは生き延びてきたし、あなたはこうして今ピープル・ツリーの手織りのシャツやパンツを身につけていますね。

ギー : ピープル・ツリーの服は手触り、生地の手触りが大好きです。