レディース・ファッションや生活雑貨の通販サイト|オーガニックコットン、フェアトレードアイテムのファッション通販サイト。フェアトレードの【ピープル・ツリー】

ロンドンオリンピックでフェアトレードを世界に

いよいよ、7月27日よりイギリス・ロンドンでのオリンピックとパラリンピックが幕を開けます。
イギリスは世界中の中でもフェアトレード認知度が高く、1人あたりの購買額も高い、いわばフェアトレード先進国。首都ロンドンは世界で初めてフェアトレードタウン宣言をした首都でもあります。そのロンドンで開催されるスポーツの祭典では、どのようにフェアトレードを取り上げるのでしょうか?


1. オリンピックの裏側

オリンピックイヤーの今年、War on Want( ウォー・オン・ウォント:窮乏との戦い、貧困問題の解決を目指すイギリスのNGO)は「Race to the bottom(底辺への競争)」と題したレポートを発表しました。世界各国を代表するアスリートが努力の成果を競う華やかなオリンピックの陰で、オリンピックグッズやスポーツグッズを生産する途上国の労働者が置かれた苛酷な状況についての報告です。War on Wantがオリンピック公式スポンサーの大手スポーツメーカーの商品を生産している、バングラデシュの6つの工場を調査したところ、そのうち5つの工場で政府が定めた最低賃金すら払われていないという状況が明らかになりました。


このような状況をなくしていくには、消費者が関心を持ち、企業にフェアな製品を求める声を届けることが重要です。


※ 「War on Want」のこのレポート(英語)へは http://www.waronwant.org からアクセスできます。
※ こちらもご覧ください。「Play Fair」。http://www.playfair2012.org/


2. 過去にはサッカーワールドカップでも 児童労働のボールが問題に

世界的なスポーツの祭典として、オリンピックの次に大規模なFIFAワールドカップ(W杯)。そこで使われるサッカーボールが児童労働により作られたものだとして問題になったことがありました。


手縫いのサッカーボールは大手スポーツブランドが企業に発注し、仲介人を経て、インドやパキスタンの家庭で縫製されています。特にパキスタンのスィアールコート地区で生産されるサッカーボールは大手ポーツメーカーに納められ、世界シェアの70〜80%を占めるほどになりました。しかし、1996年のILOの調査により、スィアールコート地区の約7,000人の15歳に満たない子どもたちがサッカーボール作りに従事し学校に通えないという事実が判明しました。子どもたちの労働実態は、1個のボールを作るのに5時間の作業が必要で、どんなに頑張っても1日2個を作るのが精一杯でした。お給料は2個のサッカーボールで、日本円でおよそ40円程度と非常に少額だったそうです。


事態を憂慮したFIFA(Fédération Internationale de Football Association)は、国連児童基金(UNICEF)と同意の上1998年のワールドカップフランス大会から児童の労働によって生産された手縫いのサッカーボールを使用しない事を決め、サッカーボールの生産の場から児童労働が排除されていくきっかけとなりました。


3. 2012年ロンドンオリンピックとパラリンピック - 全会場にて、フェアトレードアイテムの提供

Fair Trade Foundation によるビデオ「Join Team Fair 2012」

今月27日からイギリス・ロンドンで開催されるオリンピックとパラリンピックでは、基本コンセプトとして「持続可能性(sustainability)」が盛り込まれました。夏季オリンピックで「持続可能性」を最初から計画に盛りこんだのは、 今回のロンドン五輪が初めてだそうです。その持続可能性を実現するため、2012年2月に発表された報告書「Sustainability Guidelines - corporate and public events (Third Edition)」には、ロンドン五輪の関連イベントを企画する企業に向けた10のアドバイスがまとめられており、7つ目の飲食物について、「地元産や季節にあった食べ物、フェアトレードの製品を紹介し、無料の飲料水を提供する」という内容が盛り込まれました。


ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会(LOCOG: The London Organising Committee of the Olympic Games and Paralympic Games)は、ロンドンオリンピック・パラリンピックで、約40か所におけるゲーム開催地全てで数百万人に及ぶ訪問者に、フェアトレード認証のコーヒーや紅茶、チョコレート、砂糖、バナナ、ワイン、オレンジを提供することを決定しました。


オリンピック開催中の6週間で、ウィンドワード諸島およびラテンアメリ産のフェアトレードバナナ1,000万本、フェアトレード紅茶750万カップ、フェアトレードコーヒー1,400万カップ、ベリーズ産の砂糖1,000万袋が提供される予定になっています。これは約10万ポンド(約1,200万円)のフェアトレード価値が広められる計算になります。また、推定で124,000ユーロものフェアトレードプレミアム(奨励金)が途上国に送られ、学校や、スポーツの競技場、きれいな水が飲める井戸や浄水タンク、診療所などの地域の発展や環境・経済発展プロジェクトに役立てられます。

(フェアトレード財団はLOCOGに対し、表彰式で使われる花や、イベントスタッフのユニフォームにフェアトレード認証製品を採用するよう、さらなる提案をしています)


2008年10月にフェアトレードタウン宣言をしたロンドン。ロンドンオリンピックは、その役割と意義を世界に示す大きなチャンスといえるでしょう。オリンピックという舞台でフェアトレードが注目を浴びることで、世界をよりフェアにするきっかけにつながることが期待されます。