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【連載:第2回】「フェアトレードの10の指針」から

ピープル・ツリーも加盟する世界中のフェアトレード組織の連合体、WFTO(世界フェアトレード機関)は、フェアトレード団体が活動の際に順守すべき10の指針を定めています。

フェアトレードをするうえでもっとも重要な10の指針について、1つずつ、考えていく連載の2回目。今回のテーマは、10の指針の2つめ、「透明性」です。

前回の「1. 生産者に仕事の機会を提供する」もご覧ください。

2. 事業の透明性を保つ

経営や取引における透明性を保ちます。すべての関係者に対し説明責任を果たし、参加型の意思決定を行います。

オーガニックコットンが生まれる畑を訪ねて

「あなたが今着ている服は、どこから来たのですか?」
「あなたが今朝飲んだコーヒーは、誰が育てたのでしょう?」

こう聞かれて、即座に答えられる人は、おそらく少ないのではないでしょうか。グローバル化がすすみ、世界中をものや情報、人が行き来する今日。ものがやってくる過程は見えづらくなり、私たちの身のまわりには、見知らぬ土地の見知らぬ誰かが作ったものがあふれています。

その、「見知らぬ土地」や「見知らぬ誰か」について、考えをめぐらせることはあるでしょうか? それはどこの国の工場で作られたのか、農村から来たのか。つくる過程で自然を破壊したりしていないか。作った人はきちんとお給料を支払われているのか、その人たちの子どもは学校にいっているのか。・・・ものが氾濫する一方、製品の後ろにいる作り手のことが想像しにくくなっています。そして、想像が及ばないところで、作る人の権利が無視されたり、ものづくりの過程で環境が破壊されたりすることも少なくありません。自分が買うものが、知らないうちに誰かの犠牲の上に成り立っている、ということが起こるのです。


生産者を訪ね、商品のフィードバック

フェアトレードでは、顔の見える関係づくりを大切にします。ものをつくる途上国の生産者と、それを買う先進国の消費者、その双方をつなぐ役目をするのがフェアトレード団体です。中間業者を通さず、生産者団体と直接取引をすることで、ものづくりの過程を訪ね、確認し、消費者にその様子を伝えることができます。


フェアトレードの収益とグローバル・ヴィレッジからの寄付で運営される保育所。バングラデシュ、タナパラ・スワローズにて。

スタッフは日々のコミュニケーションに加え、定期的に現地を訪問し、村に滞在していっしょに時間を過ごすことで、団体の運営の様子や社会プロジェクトの進捗をも把握することができるのです。そして生産者には消費者が求めるもの、たとえばデザインや品質についてのニーズの情報を共有し、いっしょに商品開発をします。


商品についているタグ

その一方、消費者に対しては、ひとつの商品が手元に届くまでの過程−どんな村の、どんな人たちがつくっているのか、どんな素材を使っているのか、フェアトレードで暮らしはどう変わっているのか−などを伝えるべく、商品タグやカタログ、ウエブサイトなどで情報を開示しています。


アグロセルのサイレッシュさん。


また年に1〜2回、生産者団体から代表や担当者を日本に招き、日本の市場についてより深く知ってもらうための機会を設けています。商品を買ってくださるお客さまと直接会い、自分たちの製品がどのような製品と競争しなくてはならないのか知ることは、生産者にとっても大きなモチベーションとなります。


KTSの代表キランさん。


「イギリスと日本を訪問できたことで、マーケットのトレンドについても知ることができ、その後の商品開発に活かすことができた」と語るのは、ネパールの女性たちと手編みニットをつくっているKTSの代表キラン・カドゥギさんです。

また、生産者自身から直接、活動の現場についてお客さまに話し、対話の場をもうけることも、透明性の確保につながります。

フェアトレードで作られる製品は、衣服から雑貨、アクセサリー、食品までさまざま。生産地で豊富に採れる原料や、伝統的な手工芸の技術を活かした、魅力的な製品がたくさんあります。なにより嬉しいのは、できあがるまでのストーリーがあり、つくり手の笑顔が想像できること。フェアトレードの製品を買うことで、誰かの生活をよくする手伝いができるのです。製品を手にとって、海の向こうの誰かの生活に想いをはせてみてください。